隙間のホコリ

リリシズム、エモーショナリズム、ネガティブ。

インスピレーション

 

欅坂46、MOROHAのライブ。

 

愛してやまないBUMP OF CHICKEN の新譜。

 

書きたいことが山ほどあって、

まだ頭の中はぐちゃぐちゃで。

 

どうにも辛いことばかりな気がする。

みんな同じと言えば、それまでなんだけど。

 

でもね、雨上がりの夜にスキップだってできるし。

 

すれ違うカップルの幸せを祈ったり。

 

アスファルトの匂いを嗅ぐ犬と目があって、微笑みを返したり。

 

 

それで、いつの間にか眠りについて。

 

世界は素敵で、素敵じゃなくて、意地悪で、優しい。

 

 

 

夜彼方

戻りたい夜がたくさんある。

 

夜の匂いが好きで、どの想い出にも匂いが残っていて、時々その匂いが鼻から身体を駆け巡り、思い出させてくれる。

 

とても大切で、尊くて、でも、どうやっても戻れない。

 

 

近所の夏祭りの帰り道、透明なプラスチックの剣を片手に、空いている方の手首には夜道を仄かに照らす蛍光ブレスレット。

 

汗とシーブリーズが混じった若さほとばしる部活終わりに、後輩の家の前で終わりの見えない他愛も無い話を続けた夏の暗闇。

 

受験勉強の息抜きで、家に辿り着く駅とは真反対の方向に歩き、友人と何も無い公園で白い息を吐きながら、遠い未来を語り合った夜。

 

薄暗い電灯が照らす中、ひたすらに舞い続けて、疲れからコンクリートの上で仰向けになって、見上げた真夜中の空。

 

 

こうやって言葉に起こしていく中で、まだまだ懐かしくて、戻りたくて、大切な夜があることを思い出す。

 

 

あぁ、どうぶつの森の深夜2時のBGMが聴こえてくるな。

いつか来るその日のために

 

傘を忘れて駅前で立ちすくむ
次々と傘を持つ人たちに追い抜かれていく


家路を急ぐ理由がある訳がなかった
ガラス越しに映る自分の顔を見ている


今日は何か一つでも成し遂げただろうか
一歩でも前に進んだんだろうか


自分にしか出来ないことなんてないけど
自分に出来ることは精一杯やったんだろうか

 

(引用:不可思議/wonderboy / いつか来るその日のために ラブリー•ラビリンス)

 

 

 

彼の生きた挙動が残っている。

 

何年か前の今日に亡くなったらしい。

 

この人に出会ったのは、2年前程前。

 

彼の言葉から生きることの素晴らしさ、そして、彼がこの世にはいない事実を同時に知った。

 

 

不可思議/wonderboy。

ポエトリーラッパー。

いつも勇気をくれる、私の愛してやまない表現者

 

 

 

「生きる」ということ。

 

この行為と向き合うようになったのは、紛れもなく彼の音楽に影響されている。

 

だって、一番「生きている」人が「死んでいる」のだから。

 

生きるって何だろう。

 

ご飯を食べたいって感じること。

 

好きな人と話したいって思うこと。

 

照りつける太陽が眩しいって思うこと。

 

明日の仕事が嫌だって思うこと。

 

そんな当たり前のことを、一生懸命に受け入れて、一生懸命に叫ぶこと。

 

この世にある全てを享受すること、そして、自分に、「生きる」ことに本気で向き合うこと。

 

そんな姿を、画面の中で見た。

 

彼は間違いなく死んでいるのに、生きていた。

 

 

止まらない涙と同時に、溢れた感情。

 

私も精一杯、生きたい。

 

 

2019年。

 

一般的に言われる「社会」という海に投げ出され、浮き輪も無いし、上手に泳げないから、溺れそうなんだ。

 

私よりもずーっと上手く泳ぐ人もいるし、ボートになんか乗って楽に荒波を乗り越えていく人もいるし、もう小さな島に上陸している人だっているんだよ。

 

でもさ、でもさ、足掻いてももがいて、精一杯生きたいんだよ。

 

溺れそうで、もう辛くて、でも、生きたいんだ。

 

人生とか、幸せとか、分かんないことが多いけど、

そういう類のものは精一杯、生きなきゃ分からない気がするんだ。

 

精一杯、生きたい。

 

 

いつか来るその日のために。

 

 

 R.I.P. 不可思議/wonderboy。

 

 

 

 

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不可思議/wonderboy / いつか来るその日のために

(ラブリー•ラビリンス)

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傘を忘れて駅前で立ちすくむ
次々と傘を持つ人たちに追い抜かれていく
家路を急ぐ理由がある訳がなかった
ガラス越しに映る自分の顔を見ている
今日は何か一つでも成し遂げただろうか
一歩でも前に進んだんだろうか
自分にしか出来ないことなんてないけど
自分に出来ることは精一杯やったんだろうか
今の自分は一体どのへんにいるのか
こういう時に携帯やネットは少しも役に立たない
自分の居場所を誰かに聞くことはできない
どうやら雨脚は強くなっているようだった

日々の螺旋階段の途中で振り返ると
そこには一昔前の自分がいる
あの頃の俺はとても必死そうに見える
数年後の俺は今の俺をどんな風に見るだろう
そんな風に毎日ひとつずつでいいから
ブロックを積み上げ、かけのぼっていつかは
あの月まで行くってのは無理だとしても
そこから見える景色はきっと悪くないだろう
それにしても時間が過ぎるのは早いから
はるか遠くに見えるオアシスがたとえ
蜃気楼だとしてももう迷う暇はないよなあ
待ってろ未来、すぐに行く

 

あの日投げた小石の波紋はいつの間にか
ゆっくりと広がり対岸へ届いた
驚いたことに揺れる水面に映るのは
他でもない未来の自分だった
さざ波に乗って上流から下流
手作りの笹船は時に迷いながらも
ゆっくりと確実に進むことをやめない
もうすぐ海が見えるはずだ

 

旅の途中で疲れ切って座り込む
しばらくすると見知らぬ人がやってきて
どこから来たのかと屈託なく尋ねる
警戒はしたが何の心配もなかった
他愛ない会話とくだらないジョークで
いつの間にかバックパックは思い出でいっぱいだ
人と人が繋がるのはいつだって一瞬
サンキュー、これでまた歩き出せる

 

色褪せる記憶に焦ることはもうない
大事なことは全部書き留めてあるから
誰が何と言おうと戸惑うことはもうない
この先に必ず待ってくれる人がいるから
もう無理だと思う瞬間にこそヒントがあり
必ず次に進むべき一歩があった
そんなことを俺は最近になって知った
今思えば何の心配もなかった

 

あの日書いた言葉の断片はいつの間にか
ゆっくりと時を越えあなたへ届いていた
何気なくあなたがそれを口ずさむたび
言葉は何度も生まれ変わりあなたの
当たり前の世界を新しく彩る
時には冷え切った指先をほぐして
夜明けまでを共にするってそんなこと
そろそろ俺は信じ始めている

 

あの日投げた小石の波紋はいつの間にか
ゆっくりと広がり対岸へ届いた
驚いたことに揺れる水面に映るのは
他でもない未来の自分だった
さざ波に乗って上流から下流
手作りの笹船は時に迷いながらも
ゆっくりと確実に進むことをやめない
もうすぐ海が見えるはずだ

 

カレンダーをめくり、運命はめぐり
目を瞑れば広がる無限に続く銀河
あれほどまでに遠かった星たちが今では
随分と近い 手が届きそうだ
そんなことを夢見て今日も眠りにつく
今日よりも明日が美しいとは限らない
でも吹き続ける風が岩の形を変えることがあるなら
なんて思えばまだやれそうだ

引用:不可思議/wonderboy / いつか来るその日のために

(ラブリー•ラビリンス)

痕跡

 

時間に追われる日々の中で、自分が生きている証拠を残せているのだろうか。

 

残せているとしたら、それの証明方法は?

 

誰に対して残したいの?

 

そんな問いに答えられる訳もなく、

今日も泥のように眠ってしまった。

 

言葉は、いつも消える。

 

言葉は生きている証拠になるだろうか。

 

言葉を紙飛行機に乗っけて、追い風と共に飛ばすと誰かが受け取ってくれるのかな。

 

どこかの木に引っかかったりしていないか、そんなことが気がかりで。

 

紙飛行機の軌道は虹を描く。

 

だったら、紙飛行機にも言葉にも精一杯の色をつけてあげないとなぁ。

 

ゴミ拾い

映画を観ない。

 

邦画も洋画も知らないものが多い。

 

ハリーポッターの魔法の世界ですら、足を踏み入れたことがない。

 

天空の城ラピュタ」を初めて観たのは、つい何ヶ月か前の話だ。

 

 

意外だ、と言われることがある。

 

自分で繊細だとは思う。  

 

音楽だとか、本だとか、作品の心に触れることが好きだ。

 

それでも、「映画」には触れてこなかった。

 

 

理由としては、非常にシンプルなものだ。

 

そもそもこれまで映画に触れる機会が無かった。

私の周りに映画は転がっていなかった。

 

転がっていても、拾ってこなかった人生。

 

 

 

今、私は自由の裏路地にいる。

 

何かと引き換えに、色々なモノを手に入れられる。

 

映画だけじゃない。

 

もっと、もっと、拾えなかった大切なものがたくさんあるはず。

 

裏路地の水溜りは、青空を写す。

 

拾えなかったものを拾いに。

 

その手はまだ何も持ってないよ。

 

タオルケット

土曜日の朝は気怠い。

 

一週間の疲れと共に目が覚める。

 

時刻は8:24。

 

隣で眠るスマホを起こしてしまった。

 

締め切ったカーテンは六畳一間を簡単に閉じ込める。雨の音がする。一日中、雨だということは2日前の天気予報で確認済みだ。

 

肌寒さを感じ、タオルケットに潜り込む。

 

深いところに辿り着けそうなんだ。

 

海の底には洞窟があって、そこには何があるんだろう。

 

最深部には、この世の真実の断片が転がっている気がする。

 

 

あぁ、お腹が空いた。

 

半額シールの貼られた菓子パンを思い出して、ほんの小さな幸せを思う。

 

まだ、土曜日の朝。

 

鈍色

 

鉛の様に体が重いことがある。

 

まるで、地球の重力を一手に引き受けているような。

 

足が地球に沈む。

 

普段、重力なんてものを感じながら生きてはいられない。

 

それでも、人間は重力に制限されている。

 

この緑と青の星にいる限り。

 

あらゆるモノは上から下に落ちていく。

 

どれだけ抵抗しようとも、地球の中心に引っ張られてしまう。

 

 

何も染まっていない真っ白な雲は、

頭上に浮かぶ。

 

ぷかぷかと浮かんでいて、掴めない。

 

目の前に映るのは、

鈍色の分厚い雲。

 

これはお願いです。

雲ですら、重力を感じていてください。