隙間のホコリ

リリシズム、エモーショナリズム、ネガティブ。

東京に来て一年が経ちました 【3月編】

東京に来て、一年が経った。

 

この一年間、月並みの表現になるが、本当に一瞬だった。上京してきた日から季節が4回も変わったことは、未だに信じられない。

 

乗車前、とてつもない恐怖を感じていたジェットコースターに乗ってしまえば一瞬で終わってしまう、あの感覚に近い。 

 

というか、本当にジェットコースターに乗っていたのかもしれない。

 

未だ乗車中のジェットコースターの終着点は誰も知る由がないが、一年が経ったということで、ここで少し東京での一年間を振り返っておく。

 

月ごとに振り返るのが、脳に取り付けられている記憶装置にとって最も負荷が掛からないので、昨年の3月から今この瞬間の3月まで順に記憶を辿っていくことにする。  

 

3月 【ベタ過ぎる別れ】

春の朝焼けが眩しい東京駅が目に焼き付いている。

その目は、真っ赤に晴れていた。

というのも、あまりにもベタ過ぎる別れを告げてきたからだ。

 

卒業式を終えたその日に夜行バスで上京を決めた当時の自分は、最後にベタ過ぎる展開を望んだ。

 

夜行バスに乗り込む自分に手を振る大好きな仲間たち。サークル、バイト、出会いはそれぞれだが、かけがえのない大切な人たち。

 

そんな彼ら•彼女らに、優しく見送って欲しかった。

「また会おう」「お元気で」「会いに行くよ」と。

 

『上京』が、心細くて、寂しくて仕方無かった。

これから続く、孤独な生活への最後の抵抗。

 

涙は溢れて止まることを露知らず、夜行バスの車内で情けなくも声を上げて泣いた。

 

何度も手を振った。「ありがとう」と、窓越しに何度も口を動かした。

 

我ながら、ベタ過ぎるか。

昔の自分だったら、そういうのを辟易していただろう。一人で出発して、今日まで後悔している。そんな未来が見える。

 

交通手段として、夜行バスを選んだのも、

東京までの距離を少しでも物理的に感じたかったからである。何せ、1000キロも離れた場所。

そして、今後夜行バスに乗ることも無くなるだろうということでのチョイス。

 

胃もたれするぐらい、ベタな別れを仲間と街にした私は東京駅に到着した。

 

これから始まる、新生活、そして、未知の「社会」というものに期待と不安、アンビバレンスな感情を抱き、深呼吸した。

 

空気が不味い、という東京の噂は嘘なのかもしれない。

 

東京メトロ丸ノ内線の電車に乗り、これから住む街に向かった。これからこの赤い『M』がシンボルの電車に毎朝揺られるなんて、まだ想像することが出来なかった。

 

新居のドアを開けると、何もない部屋が待ち構えていた。

 

それから1週間程は、引っ越しの準備に追われた。

なんせ、一人で全てをやるもんだから、それはもう大変だった。

 

だいぶ、自分の部屋と呼べるようになった頃に、先に東京で頑張っているサークルの先輩方にお花見に誘われた。

 

その日は、3月最後の日。同時に、モラトリアム最後の日でもある。

 

大学時代の思い出話に花を咲かせ、花見をした。

 

美しい桜を見ることはできたが、人混みの多さに衝撃を受けた。花見a.k.a.人見。  

 

明日から始まる生活の不安が増大した出来事でもあった。

その日の夜は、なかなか眠れなかった。

明日の朝には、スーツを着て、ネクタイを締めて、満員電車に揺られている。

 

ただ漠然とした憧れで選んだ街に、ひたすら怯えていたモラトリアム最終日だった。

 

 

と、昨年3月の記憶を出来るだけ凝縮してここまで書いたが、あまりにも長くなりそうなので、一旦、月ごとに振り返ることにする。

 

3月、1週間程度しかなかった筈なのに。

 

次回、4月編。

 

今週中には、今月までの話を書きたいところではあるが、果たして間に合うだろうか。

 

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(お花見したときの桜、美味しそう。)

 

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ここまで読んでいただき、ありがとうございます。これを読んでくださっている方は、私のTwitterのどうでもいいウケ狙いのツイートや、YouTubeのよく分からない動画も見てくださっている方だと、勝手に思っています。いつも、私のの自己主張を受け取ってくださり、ありがとうございます。これからもよく分からない独り言を垂れ流していきますが、お付き合いいただけると幸いです。

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