隙間のホコリ

リリシズム、エモーショナリズム、ネガティブ。

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

夜彼方

戻りたい夜がたくさんある。 夜の匂いが好きで、どの想い出にも匂いが残っていて、時々その匂いが鼻から身体を駆け巡り、思い出させてくれる。 とても大切で、尊くて、でも、どうやっても戻れない。 近所の夏祭りの帰り道、透明なプラスチックの剣を片手に、…

いつか来るその日のために

傘を忘れて駅前で立ちすくむ次々と傘を持つ人たちに追い抜かれていく 家路を急ぐ理由がある訳がなかったガラス越しに映る自分の顔を見ている 今日は何か一つでも成し遂げただろうか一歩でも前に進んだんだろうか 自分にしか出来ないことなんてないけど自分に…

痕跡

時間に追われる日々の中で、自分が生きている証拠を残せているのだろうか。 残せているとしたら、それの証明方法は? 誰に対して残したいの? そんな問いに答えられる訳もなく、 今日も泥のように眠ってしまった。 言葉は、いつも消える。 言葉は生きている…

ゴミ拾い

映画を観ない。 邦画も洋画も知らないものが多い。 ハリーポッターの魔法の世界ですら、足を踏み入れたことがない。 「天空の城ラピュタ」を初めて観たのは、つい何ヶ月か前の話だ。 意外だ、と言われることがある。 自分で繊細だとは思う。 音楽だとか、本…

タオルケット

土曜日の朝は気怠い。 一週間の疲れと共に目が覚める。 時刻は8:24。 隣で眠るスマホを起こしてしまった。 締め切ったカーテンは六畳一間を簡単に閉じ込める。雨の音がする。一日中、雨だということは2日前の天気予報で確認済みだ。 肌寒さを感じ、タオルケ…

鈍色

鉛の様に体が重いことがある。 まるで、地球の重力を一手に引き受けているような。 足が地球に沈む。 普段、重力なんてものを感じながら生きてはいられない。 それでも、人間は重力に制限されている。 この緑と青の星にいる限り。 あらゆるモノは上から下に…

仮詩

網膜を埋める銀色のビル。 いつの間にかのかすり傷。 渡された知らない土地の地図。 声にならない叫びは、硬い殻が弾く。 冷めた目をした青年は、何も無い公園で 分身と向き合う。 この影はどこまで私を伸ばしているのだろう。 過去は戻らず、 未来に追い風…