2019-06-11 鈍色 鉛の様に体が重いことがある。 まるで、地球の重力を一手に引き受けているような。 足が地球に沈む。 普段、重力なんてものを感じながら生きてはいられない。 それでも、人間は重力に制限されている。 この緑と青の星にいる限り。 あらゆるモノは上から下に落ちていく。 どれだけ抵抗しようとも、地球の中心に引っ張られてしまう。 何も染まっていない真っ白な雲は、 頭上に浮かぶ。 ぷかぷかと浮かんでいて、掴めない。 目の前に映るのは、 鈍色の分厚い雲。 これはお願いです。 雲ですら、重力を感じていてください。